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「片恋いコントラスト 第二巻」桐阪 保 感想。



桐阪 保
高等部二年、つまり冴子ちゃんの一個上。
まだ二年生なのに高等部の生徒会長であり、校内でも有名人。
あの冴子ちゃんですら(学年が違うのに)見知っていたくらいですからねー。

頭が良くて、スポーツ万能で、何よりもあの女子受けする外見で、
加えて「女性にはとにかく優しく」という行動原理の持ち主なので
当然のことながら女子にモテまくっておられます。
そして、桐阪先輩はそういう自身の魅力をよーっく理解しているタイプ。

公式のキャラ紹介でも「計算高い性格」なんて書かれていて
実際自らの望みを叶える為ならば、用意周到に根回しでも何でもやる方なんですが
予想外の事態に「え!?」となっている姿の方が印象的という。

そんな桐阪先輩との出会い(?)は高等部入学式の日の放課後。
社会科の備品を運搬していた先輩に冴子ちゃんがぶつかって、
備品にヒビが入っちゃったのを先生に黙っている代わりに
「生徒会へ入って」との勧誘をうけるという流れ。

そもそも誰とも関わりたくない冴子ちゃんが共同作業必須の生徒会活動だなんて、と
当初は当然ながらに完全拒否の構えだったのですが
尊敬するラジオパーソナリティの舞渡華さんに「是非やってみるべき」と
後押しされたのもあって、生徒会に入ることにしてみたのでした。



――まさか冴子ちゃんにわざとぶつかるところから計画してるとは思わなかったw

「頼める一年生の知り合いがいない」から
「たまたま知り合った子をなんとなく誘っただけ」
とかかるーいノリで持ちかけた話に見せておいて、
実態は数日追い回される程度にしつこい勧誘をかました辺りで
冴子ちゃんを生徒会メンバーとして狙っていたのはすぐわかったけど
偶発的に起こった衝突事件を勧誘に利用しただけ、くらいに考えてました。甘かった。

先輩と冴子ちゃんの本当の出会いは前年の学園祭の時のこと。
風邪を引いて熱でふらふらになっていた先輩を
気遣って保健室まで連れて行ってくれたのが冴子ちゃん。
なお、この時の先輩は「被り物カフェ」の宣伝で犬の被り物をしていたため、
冴子ちゃんは自分が助けた相手が桐阪先輩だとは全く気付かず。
日頃から大層モテておられる桐阪先輩ではありますが、そのせいか
「女子たちが興味を持つのは俺の顔で、心なんてどうでもいい」などとも考えていて
だからこそ被り物で顔が見えていないのに
親切にしてくれた冴子ちゃんに興味を抱いたのですね。

同じく、物語が始まる前の段階で冴子ちゃんに一目惚れしていた鈴太朗が
「今日から三回見かけたら告白」だなんて
運を天に任せる的ふんわり形式で臨んできたのに対し
桐阪先輩は事前の情報収集はもちろん、必要な小道具まできっちり準備し、
綿密な計画を練り上げた上で挑んできたという次第であります。

冴子ちゃん側から見ると、計画的冤罪から余計な罪悪感を植え付けられた上で
生徒会に入るように誘導された、といった形になりますのでかなり酷い話なのですが
二周目の彼視点話をあれこれ読んでると何か憎めないっつーか、
正直面白すぎますこの人。

計画が上手くいくよう、願掛けとして禁欲生活を送ったなどと言いつつ
その内容が女子からのお誘いを「半分だけ」断るという
ツッコミどころ多数な代物なのに
当人は「よくぞ耐え抜いた、俺」「誰にも誉められないから自分で誉めるぞ、俺」
などと愉快なモノローグをかましてくれるし、
冴子ちゃんが絶対に通る(と調査済の)階段近くで例の備品を抱えながら
「まだかなまだかなー」と待ち構えている先輩をつい想像しちゃって大変お腹痛いです。

先輩は自分が「チャラくて女の子好きの先輩」と思われがちで
そういうキャラは冴子ちゃんの趣味ではないだろうと重々承知でしたので
生徒会活動を通して苦楽を共にして、
「チャラいだけではないんだよ」アピールを積み重ねる
という地道な作戦に打って出た結果
思惑よりも早く冴子ちゃんが打ち解けてきてくれたため
告白出来る機会は案外早く巡ってくるかも!? だなんてウキウキしていたら
――まさかぽっと出の中学生にかっさらわれるって言うね。

「不純異性交遊の取り締まり」なる名目で二人の仲に探りを入れたりもしていましたが
(この時着けてた「不純異性交遊」云々の腕章、わざわざこのためだけに作った?w)
冴子ちゃんと鈴太朗のお付き合いは何のかので順調で
何より冴子ちゃんが日に日に鈴太朗を好きになっていく様子を目の当たりにして
さすがの先輩もこの想いを諦めざるを得ないと考えた模様。

が、このお付き合いがどういう顛末を辿ったかというと、
「初恋編」をご覧のとおり、で。



あれこれ葛藤の果てに鈴太朗との別れを選ぶに至った冴子ちゃん。
切り出したのは自分からとは言え、鈴太朗を嫌いになったという訳ではないので
振った方でありながら大ダメージでずたぼろに。

そんな冴子ちゃんをそばでそっと支えてくれたのが眞泉さん。
一巻の頃はたまに遭遇する知り合い止まりでしたが
二巻だとここで正式にお友達になって、クリスマス会に一緒に参加したり、
友チョコを交換したりとかができたのが地味に嬉しかったです。

物語当初は「チャラい女好きの先輩」などと酷い評価だった桐阪先輩も
春先からの数カ月、生徒会活動等で交流を重ねた結果
「確かにチャラくて女好きな側面もあるけれど、仕事とかはちゃんとしてる」と
冴子ちゃんに言ってもらえるまでレベルまで信頼度獲得。
加えて、鈴太朗関係ごたごた→破局の際にあれこれ迷惑をかけたにも関わらず
事情を変に詮索することなく、それでいて優しく気遣ってくれたりで
冴子ちゃんの中ではかなり信頼のおける相手にまでなっておりました。

んが、まさかその先輩から「君のことがずっと好きだった」と
告白されちゃうとか、これまた晴天の霹靂。

学園有数のイケメンである桐阪先輩に
自身が恋愛対象として見られるとかまったくもってある訳がないし、
初お付き合いがあんな顛末を迎えたばかりで
「もう二度と誰かと好きになったりなんてしない」と心に決めてしまった彼女が
先輩の告白をすんなり素直に受け入れるだなんて到底無理なお話。

ですので以後は先輩からひたすらに逃げまくり、
好意を示されても超素っ気ない塩対応でとにかく拒絶。
しかし、そんな状況が続いても先輩は決してめげることはなく
(時折好意アピールを挟みつつも)
傷心の冴子ちゃんを親身になって励まし、慰め続けてくれます。

バレンタインデーの頃には冴子ちゃんの心は大分先輩に傾き、
その事実を否定することすら難しいくらいまでになっていたんですが、
でもまだ心の整理がついていないというか、
「まだ恋愛が怖い、失敗したくない」的感覚が抜けきってなくて。
結果、「先輩を好きになりつつあるけれど、告白の返事はもう少し保留にさせて欲しい」
と正直なんだかなんなんだかなーな申し出をし、先輩は寛大にも承諾しちゃうんですね。
まあここまで根気強く冴子ちゃんに付き合えるお人なんで、
あともう少しお預け状態が続いても何とかなる、のかもしれません(多分愛故に)

なお、ここまで先輩に残酷な「ちょっと待って」を言い放っておきながら
好感度次第では元サヤルートに入れちゃうのが、
このゲームの惨いところだと思います。個人的に。
ええ、ここら辺の先輩好きになりつつある展開は共通ルートなんすよ…



春になり、鈴太朗が高等部生徒会に入ってきた辺りから
「三角関係編」がスタートとなります。

一巻の攻略対象である幼馴染二人はお互い遠慮? があってか
同じ子を好きとはわかっていてもそんなにバチバチ遣り合わなかったので
「三角関係」ってもおとなしいもんでしたが
この下級生&上級生は相手や周囲への迷惑とか結構度外視でございます。
彼らはお互いがお互いを冴子ちゃんの彼氏となるための最大の障壁と捉えているので
ちょっとしたきっかけでいがみ合ってしまうのは仕方ないのかもしれません。

でも、警察官のコスプレで「どっちがいい?」と揃って迫ってくるのとか普通に困るし、
生徒会の会合中とかにやらかしてくれるのも色んな意味で気まずい。
生徒会の皆さん方って鈴太朗が冴子ちゃんの元カレだったことを知っている上
その元カレとお別れした後に生徒会長がぐいぐい攻勢かけてるのも
(先輩本人の根回し込みで)嫌でも知っているんですよねー…



――冴子ちゃんと仲良くするため毎回毎回階段で備品抱えていた先輩ですが、
その努力(?)は大概上手く冴子ちゃんに届かなくて、
報われるのは第二巻のみという悲しさ。
それも鈴太朗加えての三角関係の末だしなー。不憫。

先輩の行動は確かに「計算高」く、全部が全部手放しでほめられたものではないですが
傷心の冴子ちゃんが彼の親身な対応救われたのは確かですし、
あんだけがっちり甘やかしまくってくれる人の傍でなら
変な疑心暗鬼に陥っても何とかやっていける、のかなーとも思います。

あと、「片恋い」に限らず、乙女ゲーではよくある展開ですが、
正式なお付き合いをする前、酷いと相手からの告白等好意が全く見えていない状態で
不意打ち又は無防備な瞬間にキスされるってのが多すぎなので
「正式に付き合ってない内はキスとかしない」って宣言した先輩は
(鈴太朗への対抗精神だとしても)ある意味新鮮でしたし、
その分エピローグでようやく遂行できて「よかったね」と思う次第。

(でも唇以外へは正式お付き合い前にあれこれやらかしてたけどね!)
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