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「AMNESIA」。



13/04/03 iOSアプリ版全ED制覇。
シン→トーマ→イッキ→ケント→ジョーカーの順でクリア。
Veditionも手に入れはしたけどあんまり手つけてない。
ある夏の日、主人公は自分の名前などの記憶をすっかり忘れてしまっていることに気づく。
彼女の前に突然現れた精霊・オリオンによると、
この記憶喪失はオリオンが彼女の精神に衝突したことが原因。
普通の記憶喪失とは異なり、放っておいても治ることはなくむしろ悪化するからと
主人公はオリオンと共に自分の記憶を取り戻そうとするのだが……
何となく確保していたアニメ版を(服装等に盛大にツッコミ入れつつ)見まして。
……事前に全く情報仕入れてなかったもんで
最初、近未来・無国籍?・サイバーパンク世界観かとおもた。
それが案外おもしろかったのと
ちょうどiOS版がリリースされてたんで、ええつい。
「つい」とか言ってますが、普通に豪華版を即買いでしたがね!

まあいわゆる素敵な男子と仲良くできちゃう!? な乙女ゲーなんですが
そもそも主人公が記憶喪失だったり
ビジュアルは固定だけれどデフォルトネームすら設定されてなかったり
何よりも「共通ルート」が存在しない等少々趣きが異なる感じ。

まず、パラメータに定番(?)の攻略対象→主人公の好感度はなし。
上にも書きましたがいわゆる共通ルートはプロローグだけで終わりで、
各人個別ルートへとかっきり分岐。
基本的にその選んだ方と既に恋人同士(?)ぽいという設定でスタートなので
最初から攻略対象からの好感度がほぼマックス。
(でも、そうは見えない方々ばかり)
逆の主人公→相手への好感度及び信頼度に記憶喪失疑惑度の3本。
(約一名のみ、「猜疑心」つーパラメータもあり)

で、設定上、主人公が記憶喪失なのを周りに隠さねばならないことになっておりまして。
普通そんなのバレたら病院行き→それだと記憶への刺激足りなくて記憶戻らない
だけでなく、呼吸とか生存に必要な事項さえ忘れて行っちゃう恐れすらあるってことで
記憶喪失を隠しながら攻略対象らと付き合って、記憶回復を狙うというのが基本路線。

そのため、攻略対象は彼女が記憶喪失なのを知らず
普通にこれまで通り、素直には信用しかねる言動を取りまくる関係で
(おそらく記憶があれば納得できる類の言動ではあるのですが>特にイッキ編)
お互い微妙に疑心暗鬼になりつつもお話を進めていく訳ですが
選択肢によっては殺害されちまうことも多々ございますので注意。

以下、各ルートについて攻略順にネタバレ全開で無駄長い感想をば。



1.シン
一応パッケージ絵とかでも前面に出まくってるし
丁度アニメでシンルート見た直後だったしで、こやつから。
初っ端から押し押しなのはアニメで知っていましたが
こーゆーのが世間の(一部)御嬢さん方にも好評なんだろかー(遠い目)
個人的にはやり過ぎ注意。
長年年下の幼馴染≒弟扱いされてきた分、頑張ってるというのはわかるんだけどね。

で、前段で記憶喪失を隠さねばな話をしましたが
こやつには速攻、パラメータをどんだけ抑えようともバレます。
この辺はやはり付き合いの長さと、誘導尋問が巧みなシンの地頭のよさ故か。
なので余計な隠し事をしなくてよい分気楽ではあるのだけれど
記憶喪失の原因が旅先での事故と思われており
(まあ精霊がどーたらとか普通にないよね)
その事故が実は事故ではなく誰か、
ぶっちゃけシンが起こした事件では? という疑惑が浮上。
つまり別の意味で「この人を信じてよいの!?」というお話になります。

その過程で事件の真相究明のために現場に戻ったり
犯人を呼び出して詰め寄ったりとかありますもんで
良くも悪くもミステリテイストな仕上がりになってる気がいたします。

2.トーマ
えーと巷では一番人気らしいです。
多分一番の問題児っつーかヤンデレっつーかぶっちゃけ監禁王子なので
そこらへんの極端なアレっぷりが目を引く存在なんでないかなと。
なお、「猜疑心」パラメータはこやつ限定仕様です。

シンと同じく幼馴染、ただしこちらは主人公よりいっこ年上。
で、基本主人公とシンに対してだだ甘な「お兄さん」なのですが
上記のとおりヤンデレ気質なので大層困った展開に。

「彼女を守りたい」というお心はわからないでもないですが
そのための行動が自罰的すぎるというか手段酷過ぎというか。
シンルート見た後だと尚のことあれだし。
ぶっちゃけ主人公のこと、対等のお相手として見てない感が多少ありますが以下略。
ああ、自分は今回好物を後に取っておこうという気持ちで攻略順決めましたんで略。

……主人公ちゃんがトーマ好き好きっ子でよかったねと心の底から思うルートでした。

3.イッキ
本名が大変可哀想なことになっているイッキュウ氏。
その目を見た女の子が恋に落ちるっつー
精霊激突に続くファンタジー能力の持ち主でもあります。
困ったことにこの能力がマジの本物であり
それ故のトラブルがありまくりなことが彼や彼女の悲劇でもあるという。

初日から他の女の子たちと遊んでて主人公との約束に遅刻とか
素晴らしく酷いスタートなのですが、事情をいろいろ知っていくと不憫で哀れ。
昔、若気の至りで「モテたい!」などと願ったせいで
アレな能力を授かってモテるようにはなったものの
女の子が寄ってくるのは本気なのか目のせいなのか疑わしいし
男には普通に嫌われて、お友達も某「偏屈で堅物な変人」くらいしかいないし。
下手に女子の取り巻き大勢(ファンクラブ)が発生したせいでむしろ状況悪化してるし。
その挙句本命にも信じてもらえないとかもうね。
そういう意味でBadEDがかなりかわいそ切ない(でも海に行くやつは好き)。

なお、このゲーム、主人公と攻略対象や周囲の人々との関係が
各ルートで異なっておりまして。

イッキ編だとシンは幼馴染でなく単なるバイト仲間、
トーマが元義理の兄(親が子連れ再婚→離婚したため)とかで
下手に他ルートを知っているだけにいろいろと心配になったりしました。
また、主人公とイッキのバイト先(メイド&執事喫茶)の店長・ワカさんも
各ルートで性格とか設定とかがガラリと変わり、
このルートのワカさんの軍人系と言いますか
店員に「客は敵だ!」とか叫ばせたり、「(客を)上手く仕留めろ」とか指導するという。
それでいて終盤でイッキにアドバイスをする姿が何気に素敵です。

4.ケント
すんません、最初に弁解しておきますが自分的一押しです。

数学専攻の大学院生で、見た目とかでかさ(190cm)や
理系ぽい? 超合理主義的性格のせいで「偏屈で堅物な変人」呼ばわり。
他ルートでは旅先での知り合い、彼氏の友人(トーマ編には登場すらせずw)
という程度の繋がりしかなかった彼がメインとなるこのルートだと、
まあどこでどうしてこうなったのかわかんないけど「恋人」になっている訳です。

しかし、初っ端から上から目線で淡々と喧嘩腰だったりと
イッキとは別の意味で恋人同士っぽくない状況証拠がちらほら。
更にはケント自身が
「自分は(主人公に)嫌われてる、つか憎まれてるかもしれない」と発言する等
そんな相手を信じて、このまま付き合ってよいのかしら~的な展開になる訳ですが
他面子みたいな生命の危機に係わるようなスリリングでサスペンスな要素が薄いため
ある意味普通の恋愛話になっております。
(某氏には「ケントが相手だとなかなか死なねぇ(意訳)」とかまで言われるというw)

と言うか、単に恋愛系経験値が激低くて振る舞いが謎ツン状態だっただけで
その辺の誤解が解けた後はそれまでとのギャップもあって見事なデレモードで実に微笑ましい。
くそ、何でアニメでは一話で終了だったんだー! 

5.ウキョウ
ラスボスというか元凶というか。
一応世界の謎解明編的側面を持ち合わせた
でも別にTrueルートという訳ではない謎のカメラマン・ウキョウルート。
このゲームのBadED、特に殺害EDの大半はこやつのせいです。
(むしろ事情のあるウキョウ以外でやらかしまくる某トーマ氏がおかしい)
でも、そこに至るまでにはこの世界の謎ともリンクした切実な理由が……!
という感じのお話。

そこはまあさておいて。
殺害EDの主な下手人であったり
謎めいた警告というか脅迫というかを残して去っていくキャラであったため
このウキョウルートに至るまでにウキョウ氏≒おっかない人な訳ですが
そんな方の素が見かけや所業とは裏腹の超天然ボケキャラとはまさか思いもよらず。
いやね、言動は主人公への死に対する警告が多いんで
ある意味今までとは変わってないはずなんですけどね。

ぶっちゃけこの方二重人格で、裏人格の方が殺害担当、
表人格はそれを抑えようとしているのですが
就寝中等意識を失うと裏に身体を乗っ取られて危険
→でも流石に裏も衆人環視の真っ只中で殺人とかできない
→じゃあ外で寝れば万が一裏になっても安全じゃね?(ピコーン)
って、大真面目に考えて実行してる辺りド天然。

一応話のメインとしては前述したように世界の秘密が暴かれる系のルートなんですが
そんなんよりも、どっちかというとウキョウ氏のド天然奇行の諸々のが
印象深かったりするのでした。
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